1月30日水曜日
自然食養学会の秋山先生から月刊の機関誌が届いたタイトルがこれだった。
自分は散々秋山先生から味噌の話しを聞いているから言わんとしていることはすぐわかったが、一般的には何の話しかと思うだろう。
今回の秋山先生のお言葉を少し紹介しよう。
70年ほど前までは100%手作りだった味噌。
現在は総理府の日本食品成分分析表では「調味料」に区分されているらしい。
味噌は発酵・酵素食品として何より優れた食品であると秋山先生から教わった。
ただし、それは70年前の正統派の味噌の話しで、現在市販されている味噌はそれとは異なる。
原材料とその製法である「速醸法」の実態をもし知れば大半の人は驚くだろう。
「市販味噌は粗悪な原料を食品添加物で固めたような、有害無益なものが多い。大豆は使わずに大豆油かすから抽出した大豆粉を使う。古米が捨てるほど余っているのに、東南アジアの安米を味噌用に輸入している。価格は古米の三分の一いかである。これらの原料を使って、わずか一週間から十日ぐらいで速醸味噌を作るためには、塩化アルミニウム、次亜硫酸ナトリウム、重合リン酸塩、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、炭酸カリウム、ビタミン類、その他たくさんの添加物に頼らなければならない。
ことに塩化アルミのような金属類を添加することなどは、人道上許すべきではないし、強毒性のデヒドロ酢酸も同じである。
だいたい軽金属のアルミニウムの粉末を食品に許可している国は日本の他に世界中どこにもない。アルミニウムを食品添加物として申請した日本曹達の真意もわからないが、これを許可した厚生省も言語道断と言わなければならない。」
味噌の一例を調べただけでも、業者の利益本意のために肝心な本質が失われて偽物をつかまされた上に、健康を阻害される被害者が消費者であることが浮かび上がる。
現代の日本人が口にする大部分の食品が加工の過程で添加物の洗礼を受け、特に長期保存に耐える殺菌、滅菌の防腐剤に包まれたいわゆる工業食品化した食べ物に席捲されてしまっている。
バター、チーズ、ヨーグルト、マヨネーズ、ケチャップ、その他多種類のソースなどはいずれも敗戦後に占領軍が駐留してから覚えたアメリカ文化である。
胃腸外科医で著名な新谷弘実先生は、自ら内視鏡の手術を開発し、日米あわせて30万人の胃腸を覗いて来た。2005年に出版した「病気にならない生き方」(サンマーク出版)はベストセラーなったばかりか、いまだにロングセラーを続けている。
この本では、エンザイム(酵素)が生命の主体であると説かれているが、全体を通して病気も健康も食生活にあることを述べている。
「−−−−私は、毎日ヨーグルトを食べているという人で、良い腸相の持ち主に出会ったことがありません。アメリカ人の大半は毎日たくさんの牛乳を飲んでいますが、非常に多くの人が骨粗鬆症に悩まされています。(中略)−−−−良い食材を選ぶ、良い水を選ぶ、薬は極力飲まない、そうしたカラダに良い習慣を付ければ子供も苦労せず健康でいられます。逆に酸化したものを平気で食べたり、具合が悪くなるとすぐに薬に頼る、不規則な生活をする、そうした悪い習慣を受け継ぐと、子供は親よりもさらに不健康になるでしょう。」
第一線で働く医師の言葉がこれなのだ。
国民食である味噌について、あれこれ述べました。食材の劣悪な市場をさけては生活出来ない時代である。せめて味噌くらいは安全な自家製を確保していただきたい。