OMMはあまりにも疲れたので(夜寒くて眠れなかった)、近くの宿でもう一泊することにした。
宿のとなりには温泉があり、入り放題!
とはいえ夜は8時まで、朝は10時からとメリットがあまり感じられない。
温泉にも食事処はあったが新井場君が「田村さん、やっぱここいかなあまずいでしょう!」という居酒屋。
看板ないわ、いつまでたっても準備中だわ。
怖いもの見たさで行ってみた。
予感は的中した。
何時からですか?と聞くとお客の一人が「もうやってるよ」と。
満席状態でカウンターも飲み残しのビールや皿があるので人がいるかと思いきや「ここどうぞ」と案内される。
いっこうに片付ける兆しがないので「とりあえずビールください」というと奥のお客さんが持って来てくれる。いったい店主はどこにいるのか?
ここはどうやら自分たちで動く居酒屋のようだ。
身の回りのものを自分たちで整理しながら、ようやく落ち着いて乾杯。
もうこれはビール一杯で退散するしかないなと新井場君とアイコンタクト。
そこに買い物から帰って来たお上がお通しを出してくれる。
このお通しが美味かった。
ということでビールをもう一杯。
隣の山城さんという方がいろいろこの土地のことや店のことを丁寧に説明してくれた。
こうなったら行くしかないと「すいません、オススメはなんですか?」と聞くと鳥の野菜炒めだよ!と自信満々で言われたら断ることができなかった。
出てきたら鳥大盛りの野菜炒め。
新井場君が鳥担当、俺が野菜担当でたいらげた。
結局ビールを何本か飲み干してしまう。
となりの山城さんが風呂に行くというので、俺たちもその流れに乗って最後の締めの焼酎を頼んで一気に飲み干し退散した。
店を出ると「田村さん、俺こんな店初めてですわあ」と新井場君。俺もに決まってるだろ。
OMMで最高に疲れて腹が減ったのにこのままでは納得いかず温泉にある食堂で仕切り直そうと向かった。
俺はカキフライ、新井場君は鳥大盛りでツライらしくあっさり冷やしうどんだった。
グッタリしてテーブルに着こうとすると「こっちこっち!」という声が。
振り返るとさっきの山室さんが新しいグループでまた飲んでた。
なんでもこの町の有力者の会長がいて紹介された。
するとこのおじ様の話が止まらない。
ちょっと強面な感じで、邪険にするわけにもいかず真剣に話を聞く。
しかしながらOMMの疲れはハンパじゃない。聞いてるうちに眠気がどんどん襲ってくる。
ふと隣をみると新井場君は山城さんの知り合いの女性と喋ってる。
「え、え?俺だけ?」
と思いつつも会長の話は止まらない。
さらに眠気も止まらない。
俺は「はい」と「マジですか!」のふたことを乱発し、さらにその眠気を自分の声で覚ますかのように声がどんどん大きくなっていく。しかし会長はその声に調子を上げてさらに話を進めて行く。
後から新井場君から聞いた話では「はいの連発でタイミングの悪い餅つきの相づちみたいでしたよ」と。お前は俺を見捨てたやないか!
もうあかん!と思った時に蛍の光が流れる。
ようやく御開きとなり、解放された時は気絶寸前だった。
よくみると新井場君と話していた女性が意外と綺麗で、涙が出そうになった。
新井場君とは一度もOMMの話をすることなく別々の部屋に分かれて床に着く。
OMMの楽しかった思い出が全て消え去ってしまうような貴重な経験だった。
あーめん。